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京都市

株式会社ONO plus

その他子育てにやさしい職場づくりにつながる取組

【子育てをしながら、無理なく働き続けられる職場づくりを目指す】

京都市伏見区に本社を置く「株式会社ONO plus」。包装用フィルムから医療用フィルム、工業用フィルム、粘着用フィルムまで幅広い分野で使用されるさまざまなフィルムのスリット加工などの事業を行っています。従業員数は129人(2023年2月時点)。生産現場を中心に、107名が男性従業員です。同社では、ワークライフバランスの充実を目指し、若い世代にも働きやすい環境づくりに取り組んできました。なかでも積極的にすすめているのが、男性の育児休業・休暇の取得です。

地元の大学生や現場の声を聞き、働き方をアップデート

同社でワークライフバランスを支援する動きが始まったのは、2018年のこと。「当時従業員の平均年齢が40歳前後で、将来にわたって事業を継続していくためには、若い世代をもっと多く採用していきたいという想いがありました」と話すのは、品質保証部の小山由美さん。そこで、地元の大学生にどんな会社で働きたいかと経営企画部企画管理課がアンケートを実施。するとあがってきたのは「結婚して子どもができたとしても、働き続けられる会社がいい」という声でした。もちろん、同社にも育児休業制度は以前からありましたが…「就業規則として育児休業制度を利用できるようになってはいたものの、実際には、男性従業員はなかなか取得されていない現状がありました」と小山さんは言います。

そんななか、2019年にまず2人の男性が育児休業を取得。その後、取得した本人や、所属するチームの従業員などから率直な意見を聞き取ることに。いろいろな意見がでてきたなかで、育児休業の取得が普及しない要因の一つとして特に注目したのが「職場に復帰した後、周りからの声や反応が気になる」というもの。「現場で働く人たちの本音を聞いて、取り組みを進めたつもりでしたが、制度だけが充実していても、休みがとりやすいような体制が整っていなければ、実際に育児休業を取得するのは難しいことを強く感じました」と、小山さんは当時を振り返ります。

これを受けて、就業規則にパワーハラスメントやマタニティハラスメントなどのハラスメント防止規定を新たに追加。各工場の責任者や、各チームリーダーへの教育・指導の実施、社内メッセージや掲示物で育児休業制度の周知活動をするなど、環境改善のためにさまざまな取り組みを行いました。

株式会社ONO plus

従業員一人ひとりの負担を減らす“多能工化”を実現

さらに、一人が複数の機械を操作できる“多能工化”を実現させたことは、同社にとって大きな変化となりました。「これまでは、一人が一つの機械を専任で仕事をしていました。そのため、誰かが休んでしまうと、その機械を動かせる人がおらず、仕事がストップするという課題がありました。この状態では休みたくても休めなかったんです。しかし今は多能工化できたことで誰かが急に休んだとしても、ほかの人がその仕事を担えるようになりました。フォローしてもらえるという安心感があることで、より休みやすくなったと思います」

育児や子育てに関する制度は、子どもが病気になったときに休暇を取得できる制度が新たに追加されるなど、充実が図られています。「従業員のなかで、子育て世代は全体の70~80%を占めます。今では、その約3分の1が育児休業の取得経験がありますし、時短勤務をしている従業員もいます」

男性従業員からも、育児休業を取得して良かったという声があがっています、と小山さん。「2人目、3人目が生まれたとき、上の子の面倒をみなくてはなりませんし、家事もあります。『子育てをしてみて、妻の大変さがわかって勉強になった』と言っていただけたのはうれしかったですね」

従業員の意見や多様な働き方を尊重し、常にアップデートを続けてきた同社。今後は2028年を目途に、完全週休二日制へと移行予定。これからも働きやすさを重視した、新たな職場づくりを進めていく予定です。

株式会社ONO plus

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