福知山市
有限会社アキヤマ
不妊治療等に関する休業・休暇制度
【働く誰もが望む人生を諦めないでいい職場づくり】
洋服のもつパワーと魅力を伝え続けて70年。福知山の地で、長く愛せる良質なアイテムを提案するセレクトショップ「CROUKA」を運営するアキヤマは、「ひとりでも多くの人に洋服で笑顔になってほしい」という想いで、ものづくりに取り組んでいます。2003年には楽天市場への出店を果たし、インターネットを通じて遠方のファンも増えるだけでなく、社員たちの働き方も大きく変わりました。
働くママの味方に!働き方改革で在宅ワークを導入
「多くの女性の働き方として、結婚や出産を理由に社を離れるのがスタンダートな時代が長く続いてきました。その当たり前を変えたかった」という3代目社長の秋山さん。そこで、コロナ禍前から毎週月曜日のみ本社へ出勤するという在宅スタイルで働いていた社員にヒアリングし、2020年、本格的に在宅ワークを導入しました。
8割を占める女性社員の平均年齢は36歳。家事と育児に追われる女性社員たちにとっては大助かりです。「小さいお子さんが熱を出して遅刻した分、終業時間より長く働くなど時間の融通も利きますし、一人の方が集中できて仕事が捗るという声も聞きます」。
ただ、在宅ワークだけになってしまうと、孤独感から不安を抱いたり、会社に必要とされているのか?といった悩みを抱えたりする社員も。そういった人たちへのサポートも不可欠だと、秋山社長は考えます。「コミュニケーションの取り方には気をつけています。テレワークが増えたからこそ、現場が大事。やっぱり顔を合わせることが大切ですね」。
働きたい気持ちを後押しできる制度への取り組み
在宅ワークを導入するにあたって、「果たしてスムーズに進められるのか、という不安はありました」と、秋山社長。やり始めたものの中途半端に頓挫しては意味がないため、継続的に運用していけるように、まずはパソコン環境をアップグレードさせました。「スタッフはひとり2台のモニターを使って作業をするため、そこは府の補助金に随分と助けていただきました」。
基本的には既存の仕事における在宅作業化を前提として、それに不足のない環境づくりを進めていきましたが、中には、在宅ワーク用に新しく業務を作るケースもあります。夫の急な転勤で東京へ移住することになった入社7年目の社員のために会社側が遠方でも出来る仕事を探したのは、彼女の「続けたい!」という声に応えたから。
さらに、2021年に不妊治療休暇を導入した背景には、従業員全員の不妊治療に対する理解が進み、少子化が進む昨今、従業員が仕事と不妊治療を両立できるような環境を作りたいという想いからこの制度導入に踏み切りました。
「ものづくりは人ありき」という想いで環境整備を
「うちはパートさんもしっかり有給を消化しています」という秋山社長の言葉どおり、産休・育休だけでなく有給休暇を取得しやすい職場環境というのも、長く働き続けてもらうために重要な要素です。また、祝日が出勤日となっている同社では、預け先が休みの場合に子どもの面倒を誰に頼むかという子育て中の女性従業員の頭を悩ませる問題が発生します。それを解決するため、子連れ出勤を可能とするキッズルームを設置することも視野に入れているそう。
生活拠点やライフスタイルが変わっても仕事の継続を選べるのは、働く者にとって望む人生を諦めなくてもいいということ。そして会社にとっては、優秀な人材を確保することに繋がるのです。
秋山社長曰く、「3年前くらいから目に見えて求人への応募件数が増えました」。働きやすい会社というイメージが定着した今だからこそ、「求人のレベルを上げたい」というのが今後の目標。共に働くすべての人に寄り添って、これからも福知山から全国へ、世界へ、洋服を届けていきます。