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綾部市

日東精工株式会社

男性の育児休業等に関する支援

【男女問わず利用しやすい育休制度を会社ぐるみで後押し】

 綾部市に本社を置き、ねじ製品やねじ締め機、計測・検査装置の製造を行う日東精工株式会社。2019年12月には「子育て環境日本一に向けた環境づくり行動宣言」(以下、行動宣言)をの取組を開始。育児短時間勤務や時間単位の有給休暇、「くるみん休暇」など、各制度を拡大してきました。この取り組みについて、人事総務部の布川さんと人事総務部労務課の片山さんに話を伺いました。

出産日も復帰後も、さまざまな休暇が選べる制度を導入

 育児休業を利用し職場へ復帰後、多くの人が利用しているのが育児短時間勤務。同社では実労働時間6時間をベースに、出社・退社時間がそれぞれ違う5パターンが用意されています。行動宣言では子どもが小学3年生になるまで利用できるように幅が広がったのだそう。

 育児短時間勤務と併用して利用できるのが、1時間単位で取得できる有給休暇制度。「1~2時間分だけ取得できたらいいのに」という従業員の声を受けて始まりました。「多いのは、子どもが保育園に通っている際、園からの急な呼び出しがあったときに利用されるケース。ほかにも参観日であったり、自身の通院のためなど、使用目的はさまざまです」と布川さん。開始当初は1日分(8時間)としていましたが、徐々に「もう少し増やしてほしい」という意見が出てきて、5日分(40時間)へと増設。「一日休むほどの用事ではない、というときに使いやすいようです。短時間の休暇なら、たとえ急であっても周りの従業員へも迷惑がかかりにくかったという声もありました」(布川さん)。

 女性だけではなく男性にも制度利用が進んでいることは、男性へ向けた育児休暇制度「くるみん休暇」がバージョンアップしていることにも表れています。「以前は男性が配偶者の出産日に休める制度としていましたが、現在は出産後14日間以内であれば3日間取得できるよう、日数を増やしています。3日間連続でも1日ずつでも、対象者が取りやすい日や日数を選ぶことができます」。出産の立ち会いや平日に多い役所での手続き、配偶者が病院から自宅へ戻ってくる際の受け入れ準備に利用する人など、さまざまな用途によって休み方を従業員が選んでいるようです。

日東精工株式会社

男性の育休取得率アップを目指して、1日からでも取れる雰囲気作り

 男女ともに育児休業は最大一年間利用することができ、女性の取得率は100%。一方、行動宣言時の男性の育休取得率はわずか3.4%。取得率アップに向けて、時間をかけて従業員へ周知徹底していきました。

 「初めのころは特に現場の方から抵抗感がありました。育休を取得したいと思っていても、周りに迷惑をかけるのでは、という気持ちがあったと思います。配偶者の出産後、社会保険の手続きに人事総務部へ訪ねて来られたときに、丁寧に制度について話しました」と片山さん。「対象者には個別に説明し、対象者の上司にも一緒に説明することで、理解が進んだのではないかと思います」(布川さん)と、管理職への理解にも力を入れたそう。そうは言っても長期休暇を取ることに抵抗がある人は多く、「一週間取りましょう」ではなく「一日から始めたらどうですか」と、育休のハードルを下げることで、一人、二人と取得者が増えていったとか。取得者がいる部署には、経験者がほかの従業員にもすすめてくれているからか、取得者が徐々に増えていき、マインドが変わってきたとも感じたそうです。「育休を長期間取得することで、奥さんの不機嫌な理由が分かったと、面白い意見も寄せられました。育児を経験してこそわかることがあるのでしょうね」と布川さん。

 このような活動は社内の広報誌でも紹介され、少しずつ従業員への認知度が高まったこともあり、2022年は60%と飛躍的に伸びました。「以前より取得率は上がりましたが、自分が休むことで職場に迷惑をかけるという気遣いが残っているようにも思います。気兼ねなく取れるように、今以上にマインドを変化させていかないといけません」と、今後の課題について話してくれた布川さん。堅実な活動が少しずつ実を結んでいますが、まだ納得のいく形ではないよう。これからも働く人たちが仕事と子育ての両立ができるよう、いろいろな声に耳を傾け、サポートしていきたいと考えておられます。

日東精工株式会社

 

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