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赤ちゃんのからだ

赤ちゃんのウンチ

生後2~3日のウンチは、胎便といって緑がかった黒色でネバネバしています。その後、黄色や黄緑色、黄褐色をした柔らかい形のないウンチが出ます。母乳育ちの赤ちゃんは最初のころ、授乳のたびにウンチをすることもあります。このことが、十分におっぱいを飲んでいる証拠になっています。

生後1か月を過ぎると、だんだん回数が少なくなってきます。ウンチが緑色になることがありますが、便の中に含まれているビリルビンが酸化して緑色になるためで、病気ではありません。

機嫌が良く、健康な様子であったら、ネバネバした下痢状のウンチ、白いブツブツが混じったウンチ(この白いつぶつぶは、母乳やミルクに含まれている脂肪が固まってできたものです)など、少しくらい変わったウンチであってもさほど心配することはありません。

赤ちゃんの機嫌が悪くあやしても笑わず、粘液の混じった水様便を何回もするようなときは、すぐ医師に診てもらってください。

くしゃみ・しゃっくり

赤ちゃんの鼻の粘膜は敏感で、ちょっとした刺激でくしゃみをします。冷たい風や、ちょっとした温度の変化でくしゃみが出ます。たくさんくしゃみが出るからといって、この年齢ではアレルギー体質と決める根拠にはなりません。

また、赤ちゃんはほんのわずかなきっかけでしゃっくりをします。お乳を飲んだ後などによくみられますが、これは食道や胃への刺激が横隔膜に伝わり、横隔膜が反射的にけいれんを起こすためです。あまりしゃっくりが続くと苦しそうにみえますが、しゃっくり自体に害はなく苦しくもないので、心配しなくても大丈夫でしょう。

どうしても気になるようでしたら母乳やミルク、白湯(さゆ)を飲ませたり、静かに抱っこしてみてください。そのうち自然とおさまるでしょう。

鼻づまり

生まれて1か月ごろまでは、かぜをひいていなくても鼻が詰まりやすいものです。綿棒やガーゼを湿らせて鼻の中のお手入れをしてみてください。ズルズルした鼻が出る場合は、市販の鼻吸い器やスポイトで吸ってみるのも良いでしょう。鼻が詰まっているために母乳が飲めないとか、寝られないような場合は小児科を受診して、相談してみてください。

のどがゼロゼロいっている

息をするときにゼロゼロ音がすると相談を受けることはよくあります。生まれてすぐの赤ちゃんは、のどの軟骨が柔らかく、ゼロゼロいいやすいといえます。母乳やミルクを飲んだ後にちょっとゼロゼロいう程度では、まず心配ないでしょう。からだが大きくなれば自然と治ってきます。

顔色が悪くなったり、機嫌が悪かったり、鼻をふくらまして息をしたり、胸がぺこぺこへこむような陥没呼吸がみられる場合は、息をしにくい状態になっています。そのようなときは、小児科医の診察を受けてください。

目やにが出る

生まれたばかりの赤ちゃんに「目やに」をみることは珍しくありません。目頭に白い粒が付く程度なら放っておいてもよいし、脱脂綿で軽くふいてみてください。目やにが黄色かったり、粘調で糸をひくような場合は、細菌やウイルスの感染が疑われますので、目やにに触ったときにはお母さんの手をよく洗い、そのような目やにが続く場合は、小児科か眼科を受診してください。

赤ちゃんの目やにの原因として鼻涙管閉塞(へいそく)があります。鼻涙管とは目から鼻に通じる管で、この管が細く、詰まってしまうと、目やにがしつこく続く場合があります。この場合は眼科医の診察が必要です。

頭の形がいびつ・向き癖がある

大部分の赤ちゃんは向き癖があり、いつも下になっている方が平らになってしまっている赤ちゃんはたくさんいます。向かない方から呼びかけたり、向かない方を明るくするなど、意識的に逆向きに寝かすようにしてみる方法があります。

頭の形のゆがみには寝ぐせの他に、まれではありますが、頭の骨の縫合が通常よりも早く起きる病気によるものがあります。適切な時期に治療を開始することが重要ですので、気になる場合はかかりつけの小児科医に相談の上、専門医の受診をお勧めします。

また、向き癖を起こすものに斜頸(しゃけい)があります。これは胸鎖乳突筋という筋肉が硬く縮んでしまうもので、首にコリコリした腫瘤(しゅりゅう)を触れます。斜頸には、先天性斜頸と筋性斜頸があります。また、乳児期後半よりみられる向き癖には耳や目の病気が原因となっている場合もありますので、かかりつけの小児科医に相談してください。

 向き癖対策として、おもちゃや声掛け(反対側から声掛けする等)や抱っこ等を工夫する(例:授乳の時横抱き左右両方おこなう)・反射を利用してお口の(向き癖と反対の)周辺を触れて刺激をするとそちらを向く等あります。試してみましょう。

頭が大きい

頭の大きさ(頭囲)は標準値を基準に評価しますが、頭囲だけでなく身長や体重とのバランスも重要です。頭が大きくなる病気には、最も知られているものに脳室が大きくなる水頭症、その他にも骨の病気や代謝の異常、腫瘍(しゅよう)や頭の血管の病気などたくさんあります。頭が大きくても家族性の場合など全く異常のない場合も多くあります。

急速に頭が大きくなる場合や麻痺(まひ)などの神経症状が伴う場合は、頭部CTなど詳しい検査が必要ですが、症状がなく成長曲線に沿って大きくなっている場合や身長・体重とのバランスに問題がない場合などはそのまま経過をみます。不安がある場合は、健診時や小児科医に相談してください。

頭にかさぶたやふけがある

生後1~2か月の赤ちゃんは新陳代謝が盛んで、皮脂やあかが汗やほこりと一緒になり、頭やまゆ毛・おでこや耳の裏に白っぽいふけやかさぶたのようなものがつきます。入浴時にふやかして、よく泡立てた石けんを使って洗い、毎日少しずつとってみてください。無理にとろうとしてゴシゴシこすると皮膚を痛めてしまいます。

ほかに、乳児期によくみられる湿疹(しっしん)に乳児湿疹があります。額やほおに小さい赤いブツブツやかさぶた、ただれを認め、かゆみを伴うこともあります。先ほどと同様のスキンケアを行い、それでも良くならないときは外用剤(塗り薬)を用います。気になるような場合は医師に診てもらってください。

顔にブツブツが出るとお母さんはアトピー性皮膚炎が気になると思います。乳児湿疹がそのままアトピー性皮膚炎に進行することはありません。ただし、家族のだれかがアレルギー体質であったり、赤ちゃんが湿疹を繰り返している場合は医師に相談してください。

でべそが気になる

赤ちゃんのでべそは、おなかの筋肉がまだよく発達していないために起こるもので、おなかの筋肉が発達してくると次第におさまってきます。医学的には、「へそヘルニア」と呼ばれます。以前は、家庭療法として絆創膏(ばんそうこう)で押さえたり、硬貨をはりつけてたりしていたようですが、皮膚がかぶれたり、あまり効果がないために現在では何もしないで様子を見ることが良いとされています。

しかし、かなり大きくて1歳を過ぎても飛び出しているような場合には、手術で治すこともありますので、小児科医あるいは外科医に相談してください。

赤ちゃんのあざ

赤ちゃんにみられるあざのうち、赤いいわゆる赤あざは、医学的には「血管腫(けっかんしゅ)」といいます。隆起のない境界明瞭(めいりょう)な「単純性血管腫」は、広がることはないですが、自然に消えることもありません。皮膚の表面から隆起して柔らかい「いちご状血管腫」は、生まれてすぐからみられ、生後2~3か月ころに大きくなる場合もあります。多くは6~7歳ころまでに消えますが、完全に消えないこともあります。「海綿状血管腫」というあざは、皮膚の深いところにあり青っぽく見えます。自然に消える傾向がありますが、皮膚の萎縮(いしゅく)を起こすこともあります。顔やうなじの赤ぶどう酒色のあざは「正中母斑(せいちゅうぼはん)」と呼ばれ、多くは自然消退します。

青くみえる青あざの代表は「蒙古斑(もうこはん)」です。腰、背部、肩甲骨部などに大小様々にみられます。真皮の深いところにあるメラニンが透けてみえているもので、6~7歳ごろまでには消えます。蒙古斑に似ていて、青色がさらに濃く、青黒色の部分もあるようなあざは「青色母斑」といい、自然に消えることはありません。

皮膚から隆起しない褐色の扁平(へんぺい)なあざは「扁平母斑」といい、表皮のメラニンが多くなっているものです。大きくなることはないですが、自然に消えることもありません。

黒あざは「色素性母斑」と呼ばれ、自然と消えることはありません。白く色がぬけたようにみえる白あざも消えません。

あざはお母さんにとって、とても気になるものです。治療法の進歩により早くから治療を行うことが多くなり、成績も上がってきています。全身性の疾患の一部としてみられることもありますので、早めに小児科医、皮膚科医に相談してみてください。

いきんで苦しそう

生まれたばかりの赤ちゃんは、生理的な反射や理由のはっきりしない動きをします。ときどき、真っ赤な顔をしてうんうんいきんだり、うなり声を出したりして、どこか痛いのか、苦しいのかと心配になりますが、これは赤ちゃんがおっぱいを飲んだときに一緒に空気を飲み込むことによって起きる生理現象といわれています。授乳後にげっぷをさせてみてください。他におむつの締め付けがきつい場合もあります、おむつを少し緩めてみてあげてください。

このようないきみのほか、大きな音やちょっとした刺激でびっくりしたように両手を広げたり、手足をぴくぴくさせる動きなどがみられますが、いずれも生理的な反射です。

赤ちゃんの生理的な反射は、生後2~3か月もすると消えていきます。一度子育てを経験したお母さんには何でもないことですが、初めてのお母さんは毎日いろいろ心配なことが出てくると思います。ちょっとしたことを聞ける先輩ママ、おばあちゃんやお友達を見つけておくといいでしょう。

体重が増えない

赤ちゃんには個性があり、母乳の飲み方や飲む回数、体重の増え方、寝る時間などはさまざまです。体重は赤ちゃんの発育をみる上で、最も良い目安になりますが、毎日決まった量増えるというものではなく、ときには減ることもあります。毎日の増減にこだわらず、3か月ごろまでは1週間ごと、それ以降は1か月ごとくらいで変化をみてください。

体重が増えない原因として、栄養不足のほかに、かぜや下痢のような急性の病気、症状が現れにくい心臓や腎臓(じんぞう)の慢性の病気などがあります。長期間増えない場合は、医師の診察が必要となります。

赤ちゃんの肥満

赤ちゃんがまるまる太っていると、おっぱいの飲ませすぎといわれることがありますが、母乳育ちのまるまるとした赤ちゃんは肥満ではありません。乳児のときに太りすぎていると、将来の肥満につながると心配する人もいますが、成人の肥満は、乳児期の肥満とは違うほかのさまざまな原因があります。まるまるとしているからといって、乳児期に食事制限を行う必要はなく、食事制限はむしろ赤ちゃんの脳や神経の発達を妨げる恐れがあります。よちよち歩きができるようになると、食べることよりも動くことに一生懸命になります。この時期に備えて、赤ちゃんは脂肪を蓄えているのです。たいてい、2~3歳ごろになると、自然とスリムになります。