知りたい
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- 赤ちゃんが生まれたら
- 母乳ミルクのこと
母乳ミルクのこと
- 母乳不足?
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母乳育児をしているお母さんにとって、母乳が足りているかどうかは気になるところです。次のことが当てはまるようなら、母乳は足りていると思われます。
1.母乳だけでおむつがしっかりとぬれている
おしっこうんちの回数の目安:おしっこ6回~8回くらいあるか、
うんちは2~3日に一度だと不足の可能性があります。
2.体重がしっかり増えている(生後6カ月くらいまでは目安20~30g/日程度)
3.身長や頭囲がしっかり増えている(健診等で計ってもらいましょう)
4.健康そうにみえる→機嫌がよく元気・活気・食欲がある。
体重増加がどれだけあれば母乳不足はないといえるか、実は一定の見解はありません。赤ちゃんの全身状態や、ほ乳力、お母さんの母乳分泌感、乳首の状態などを参考にするとともに、お母さんの考え方を十分に尊重することが重要です。授乳の回数が多いとか、一回の授乳に30分以上かかるのは母乳不足のサインであるといわれてきましたが、頻回の授乳によって母乳分泌が十分に保たれ、赤ちゃんの満足感も得られることがわかってきました。
また、母乳がしっかり出ていても乳首を離さずくわえている赤ちゃんもいるように、一つのサインだけでは、判断できないところが実際です。
赤ちゃんには個性があり、飲み方や飲む回数、体重の増え方、寝る時間などはさまざまです。体重は赤ちゃんの発育をみる上で、最も良い目安になりますが、毎日決まった量増えるというものではなく、ときには減ることもあります。毎日の増減にこだわらず、3か月ごろまでは1週間ごと、それ以降は1か月ごとくらいで変化をみてください。
- おっぱい、ミルクからさよならする時期は?
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一般的に、おっぱいや哺乳びんからの卒業は、離乳食が1日3回食べられるようになってから行いますが、その時期については定まったものはありません。
生まれてしばらくの赤ちゃんにとって、おっぱいはなくてはならないものですが、ある時期がくると徐々に以前ほど母親に依存しなくなってきます。だからといって、おっぱいが必要なくなったわけではなく、不安になったり、こわくなったりしたときには、おっぱいに癒されるものです。
1歳を過ぎても乳離れしていないと、周囲の目が気になったり、このまま自分から離れられなくなるのでは、と悩むことがあります。しかし、乳離れの時期には個人差があり、時期がきたら必ず離れていきます。食事のみから栄養がとれるようになるには12~18ヶ月と言われています。
1歳を過ぎるようになると、言葉でのコミュニケーションを大切にしながら、自然に子どものプライドを育て、「赤ちゃん卒業」を意識させてあげましょう。 - 母乳を控えたほうが良いとき
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母乳を控えなければならない場合がいくつかあります。
(1)乳首や乳腺(にゅうせん)のトラブル
乳首が切れたり水疱(すいほう)ができ、傷がジクジクしたり出血が多く痛むような場合は授乳を控えて病院を受診してください。乳頭亀裂や白斑(乳頭に白い点)も可能な限り方向や吸わせ方を変えて授乳する。乳頭トラブルの痛みで授乳できない場合は搾乳をします。まずは、かかりつけの医師や助産師に相談してください。
(2)お母さんが病気や検査で薬を使用する場合
治療や検査、診断に使用する薬の中には、母乳から赤ちゃんに移行し、影響を及ぼすものがありますので、かかりつけの医師に授乳中であると告げることが必要です。
(3)お母さんがHIV、HTLV-1感染のとき
AIDSの原因ウイルスであるHIVや、成人T細胞白血病を起こすHTLV-1にお母さんが感染している場合、母乳を通じてこれらのウイルスが赤ちゃんに感染することがあります。HIVの場合は5人に1人の割合で起こるといわれています。主治医とよく相談してください。
(4)授乳中に次の子を妊娠した場合
妊娠したからといってすぐ断乳する必要はありません。突然の断乳は、お母さんにとっても赤ちゃんにとってもとてもつらいことです。妊娠したことで母乳の味が変化し、自然と卒乳する場合もあります。ただ、授乳することでおなかに強い「はり」がある場合、出血している場合、未熟児を出産したことがある場合、お母さんの体重が減少してきている場合などは、授乳を中止したほうがいいでしょう。
いずれの場合も、かかりつけの医師や産科医、助産師さんとよく相談してください。
- 乳房のしこり
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乳房にしこりができたり、痛くなった場合は、乳管閉塞(へいそく)や乳腺炎(にゅうせんえん)が考えられます。
乳房に痛いところがある、赤くなっているところがある、しこりがあって痛いなどの症状が一つでも出てきたら、乳管が詰まって母乳が流れにくくなっていると考えられます。
さらに、発熱や疲労感、倦怠(けんたい)感が現れた場合には乳腺炎が考えられます。乳腺炎がさらに悪化すると膿(うみ)がたまって、切開が必要となることがあります。産科医や助産師に相談してください。
授乳中にみられる乳房のしこりは、ほとんどは乳管閉塞や乳腺炎に伴うものですが、まれに良性腫瘍(しゅよう)や悪性腫瘍のケースもあります。乳管閉塞を治療したのにもかかわらず、しこりがなくならないような場合は医師の診察を受けてください。
- フォローアップミルク
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フォローアップミルクは1970年代からヨーロッパで使われるようになり、その後日本でも同様のミルクがつくられるようになりました。
そのころ、日本では離乳が進めば、牛乳を用いてたんぱく質、カルシウムの補給を行っていましたが、牛乳に含まれないビタミンや鉄分を補う目的でフォローアップミルクが使われるようになりました。
その成分は、育児用粉ミルクに比べて、たんぱく質、糖質、灰分は多く、脂肪が少なく、エネルギーはほぼ同じです。鉄、ビタミンも適当量が加えられていますが、亜鉛、銅などの微量成分は含まれていません。
したがって、フォローアップミルクは牛乳の代替品といったもので、育児用ミルクや母乳に変わるものではなく、離乳が完了した後に用いると良いでしょう。
- しぼった母乳の保存
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母乳を24時間以上保存する場合は冷凍が適しています。母乳をしぼり、市販の冷凍用母乳パックに入れて冷凍します。
冷凍した母乳パックを保育園へ運ぶ際は、保冷バッグに入れて溶けないようにしてください。解凍時に加熱しすぎると免疫物質が壊れてしまうので、熱いお湯や電子レンジでの解凍は行わないでください。水道水かなまぬるいお湯に母乳パックをつけて解凍(その時出来るかぎり冷凍母乳パックの開閉口ー母乳を入れて閉じた部分は水に浸さないようにすると衛星的です)又は、冷蔵庫に移して解凍してください。冷凍庫で一か月程度保存できます。(家庭の冷蔵庫は開閉も多く温度が変動することもあり出来るだけ早く使用しましょう)
衛生面で一番注意していただきたいのは搾乳時の細菌の混入です。お母さんの手指や乳首周囲に細菌がいる恐れがありますので、搾乳前によく手を洗い、乳房をきれいにふいてください。
家庭で祖母に預かってもらう場合など、冷蔵する方法がありますが、冷蔵庫にはほかの食品があり頻繁に冷蔵庫を開けるため庫内の温度が一定でないなど、衛生面で問題があります。冷蔵保存の場合は細菌の混入、温度に注意して、24時間以内に飲ませてください。
- 母乳・ミルクを吐く
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赤ちゃんの胃は小さくとっくり型で、胃の入り口のしまりが弱く、吐きやすいつくりといえます。また、生まれたばかりの赤ちゃんは、授乳量を調節できず飲み過ぎになってしまいがちです。月齢とともに吐く回数は減ってきます。
吐いた後、ケロッとして顔色、機嫌も良く、体重が順調に増えているようなら心配ありません。
吐いた際には、吐いたものが気管に詰まって窒息や肺炎を起こさないよう、赤ちゃんの顔を横に向け、気管に入らないようにしてください。
吐いた後にミルクを欲しそうにするなら、しばらく経って落ち着いてから、少しずつ飲ませてあげてもいいでしょう。
噴水のように大量にピューッと吐いたり、体重が減ったり、増えなかったりする場合、吐いたものの中に血液や緑色をした胆汁が混じっているような場合は、小児科医の診察を受けてください。その際、吐いたものや吐いた時間・回数を記録したものがあると、とても参考になります。
- げっぷが出ない
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授乳中の赤ちゃんは空気を飲み込んでしまうので、げっぷを出してあげましょう。赤ちゃんには個人差がありますので、げっぷをしないでも吐かない赤ちゃんもいれば、げっぷをしても吐きやすい赤ちゃんもいます。
また、いくら背中をトントンたたいてもげっぷをしてくれないこともあります。しばらくしてもげっぷが出ないような場合、赤ちゃんの機嫌が良ければ無理にさせる必要はないでしょう。
また、寝てしまったようなときも、起こしてまでする必要はありません。げっぷのさせ方には決まった方法はありませんので、お母さんや赤ちゃんにあった、楽な方法を見つけてみてください。
げっぷが出ないまま寝かせるときは吐いたものが喉に詰まらないようお顔を横に向け身体の上半身を高くするようにして(赤ちゃんの身体の左側にクッションやタオル等で支えてあげて上半身が少し上がり・横を向くようにするといいですね)寝かせてあげましょう。
吐いた後にミルクを欲しそうにするなら、しばらく経って落ち着いてから、少しずつ飲ませてあげてもいいでしょう。
噴水のように大量にピューッと吐いたり、体重が減ったり、増えなかったりする場合、吐いたものの中に血液や緑色をした胆汁が混じっているような場合は、小児科医の診察を受けてください。その際、吐いたものや吐いた時間・回数を記録したものがあると、とても参考になります。
- ミルクを急に飲まなくなった・ほ乳瓶を嫌がる・ほ乳瓶を離さない
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生後3~4か月ごろになると、新生児期と違って自分で飲む量を調節するようになるので、飲む量が減ったように感じることがあります。
年中行事、旅行、来客などちょっとした生活環境の変化が影響して、一過性の食欲不振のようになることもあります。体重が増えていて機嫌も良く、健康そうならあまり心配はないでしょう。
ほ乳瓶を嫌がるようになった赤ちゃんには、スプーンかコップでミルクや果汁などをあげてみてください。赤ちゃんは5か月くらいになると、コップで飲むことも可能となってきます。そのような赤ちゃんには早めに離乳食をすすめていくのも一つの手です。
逆に、1歳を過ぎてもほ乳瓶が離せない赤ちゃんがいます。コップやスプーンに慣れることがうまくいかなかったのかもしれません。コップで飲めるようになったら、できるだけほ乳瓶よりコップで飲む機会を増やし、ほ乳瓶の回数をだんだんと減らしていってください。
- ほ乳瓶の消毒はいつまで?
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細菌、ウイルスは、私たちの周囲どこにでも存在しています。
特に夏場は細菌が繁殖しやすく、食中毒も起こりやすい季節です。大人の場合でも、おかずの残りはすぐ冷蔵庫にしまって食べ直す前には十分再加熱する、調理器具は清潔にするといったことを注意します。同様に赤ちゃんの場合も、ミルクの残りを長時間放置しない、ほ乳瓶はきれいに洗うといった注意が当然必要です。
赤ちゃんは6か月ごろまではお母さんからもらった免疫物質で感染から身を守っています。理論的にはほ乳瓶を消毒する意味はありますが、一方で病気の原因にならない常在菌と呼ばれる細菌も、徐々に周囲の環境から赤ちゃんの気道や腸管にすみついていきます。
現在の日本の衛生状態から考えると、他人と共有しないほ乳瓶の消毒はそれほど神経質にしなくても、ミルクのカスが残らないようにきれいに洗って乾かすということをきちんとしていればまず大丈夫でしょう。
おもちゃなど周囲のものを何でもなめはじめるころになると、ほ乳瓶だけ消毒しているのはあまり意味がないと思われます。
- 下痢のときは
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赤ちゃんのうんちが水分量が普段よりも多く、形が崩れている・おむつからうんちが溢れる・1日のうんちの回数が普段よりも多いやうんちのにおいがおかしかったり、血が混じっているようなときは下痢といえます。
このときは、脱水に注意が必要です。下痢のときは水分だけでなく、栄養分も失ってしまい、ショック症状を起こすこともあります。ぐったりしている、寝てばかりいる、口が渇いている、おしっこが出ない、泣いてもあまり涙が出ない、熱がある、哺乳できない、水分を摂ることが出来ない、嘔吐を繰り返すといった症状がある場合は、すぐ医師に診てもらってください。
一番大事なことは、水分を十分に与えることですので、頻繁に授乳をしてください。下痢をしていても母乳は飲ませてもかまいません。おう吐を伴っているような場合は、一回の授乳の量を少なくして、授乳回数を増やしてみてください。離乳食は無理に食べさせなくてもかまいません。数日のことですので、症状が落ち着くまでお休みしてもいいでしょう。食べることができそうなら、消化の良いものにしてください。
ひとりで悩まないで!!