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赤ちゃんのお世話(乳児編)

暖房器具とクーラー

暖房器具は、ひっくりかえしたり触ったりしてやけどなどの事故をする危険がないものが好ましいです。一見やけどをする危険がないように見えるものでも、長時間接触したり、温風が直接当たったりすると「低温やけど」することがあるので注意しましょう。

また、温かくなった空気は上にあがっていくので、部屋の上の方だけ温かくなっていて、赤ちゃんのいる床付近は寒いことがあります。赤ちゃんが快適に過ごせるように調節しましょう。

さらに、暖房している部屋は乾燥してくるので、部屋の湿度にも気をつけ、換気もこまめにしましょう。

クーラーは暖房とは逆に、下の方が冷えるので赤ちゃんのいるところが冷えすぎていないか注意しなければなりません。汗ばんだ下着を着ているとクーラーで冷えて体温が下がってしまうので、汗をかいているようなら下着はこまめにかえるようにしましょう。「冷房は体によくない」という考えもありますが、一緒に寝ている親が暑くて眠れないようであれば、冷風が直接当たらないように工夫して、夜間も使ってかまいません。除湿だけでしのぎやすくなることもあります。26~28度くらいに設定し、隣の部屋にクーラーをつけて間接的に冷やすなどもよいかもしれません。

布団をはいでしまう

幼い赤ちゃんでも上手にお布団をけとばして、はいでしまうことがよくあります。お世話する人ががかぶせてもまたはいでしまって、一晩中見張っているわけにもいかず困ってしまいますね。

直してもすぐに赤ちゃんがお布団をはいでしまうときは、まず寝ている部屋が暑すぎないか、確かめてください。部屋が暑くないのにどうしてもはいでしまう場合は、お布団をかけないでも寒くないくらいの室温にしておくのも良いと思います。

また、ベビーベッドに寝かせている場合は、ベッドから出して、お世話する人の横に寝かせてみてはどうでしょうか。そうするといちいち立っていかなくてもいいので、お布団のかけ直しがずいぶん楽だと思います。それから、赤ちゃんは寝入りばなによく汗をかくので、いきなりすっぽりとお布団をかけるのではなくて、寝入ってしばらくしてから布団を肩までかけるほうがいいかもしれません。

部屋の温度と湿度

暖房時の室温の目安は20~23度前後、ただし生まれたての赤ちゃんの場合は23~25度くらいあってもよいと思います。

冷房時の室温の目安は、28度くらいまでです。25度以下には下げないほうが良いでしょう。部屋を出たり入ったりしたときに、室内外の温度差がありすぎると赤ちゃんは体温調節がうまくいかず、体調を壊してしまうので、室内外の気温差は5度以内にしましょう。

基本的には、大人が快適に過ごせるような環境なら、乳児、子どもにも快適であると考えてください。室温だけにこだわらず、体や手足は冷たくないか、汗ばんでいないかと見てあげることも必要です。室温が一定でなくても、服をもう1枚着たり脱いだりして調節することもできますから、部屋の温度だけにこだわらなくても大丈夫です。

また、快適に過ごすためには、湿度も重要です。60%くらいがちょうどよいでしょう。特に冬場乾燥するとウイルスの活動が活発になるので乾燥に注意しましょう。逆に夏は、日本は多湿で不快に感じることが多いものです。必ずしも冷房を使わなくても除湿だけで涼しく快適に過ごせることもあります。

衣服の枚数と調節

基本的には、新生児では大人プラス1枚、2か月以降は大人と同じ枚数、6か月を過ぎたら大人より1枚少なめといわれています。

ベッドに入っているときは「肌着、長下着(コンビ)、ベビードレス」の3枚、地域、気候によっては肌着に長下着、又は肌着にベビードレスの2枚でもよいでしょう。夏場は長下着だけでもよいかもしれません。

授乳や抱っこなど、起きているときはベストやおくるみなどで調節すると便利です。

赤ちゃんの肌着や衣服は、吸湿性に優れ、肌を刺激する「飾り」などのないものが好ましいです。ボタンなどがとれて、誤飲などの事故が起こらないものを選びましょう。

また、赤ちゃんは手や足から熱を発散して体温を調節するので、室内では手袋や靴下は必要ありません。逆に寒い日の外出時には使用するようにしましょう。

最近は多くの家庭で冷暖房設備が整っているので、以前ほど衣服の調節に気を使わなくてよくなりましたが、逆に冬に暖房した部屋の中で着せすぎて汗をかいたり、夏はクーラーのききすぎた部屋で冷えすぎたりする場合があります。赤ちゃんの様子を見て、触れて状態を知って調節することが大切です。

日光浴について

生後1か月くらいになったら、部屋の窓を開けて外気を入れてあげるようにしましょう。最初は1回に5分くらいが目安です。夏は午前中に暑くなる前、冬は日中の暖かい時間にすると気持ちがよいでしょう。1~2週間して慣れたら、ベランダや庭に出てみます。3か月を過ぎたら、30分から1時間くらいのお散歩に出かけられるようになるでしょう。

外気浴は皮膚や気道を鍛える効果があります。音、光、風、温度、湿度の刺激にさらされる、外出の準備の一つです。

なお、赤ちゃんに直接日光を当てる必要はありませんし、当てるべきではありません。赤ちゃんの肌は薄く敏感です。紫外線を浴びすぎると、皮膚の細胞が傷付いてしまうことがあります。直接日光を浴びなくても、外に出るだけで十分にお日さまのエネルギーはもらうことができます。

寝ない

生まれたての赤ちゃんは、一日の大半は寝ていて、眠りと寝覚めの周期は短く不規則です。それがホルモンや神経の働きによって、徐々に睡眠と覚醒(かくせい)のリズムができて、4か月ごろには夜にまとまって寝るようになり、昼夜の区別がはっきりしてきます。そして6か月くらいから睡眠の深さのリズムも大人と同じような型に変化していきます。1歳ごろまではお昼寝は午前・午後1回ずつ、1歳半ごろでは午後1回とる子が多いですが、個人差は大きく、最初からあまり寝ない子や、1歳半で全くお昼寝をしなくなる子もいます。睡眠は量より質が大切なので、昼間の様子が元気なら睡眠は足りているでしょう。心配いりません。

寝付きが悪い場合、寝にくい場合は、赤ちゃんが眠りやすいように環境を整えてあげましょう。お乳が足りているか、周囲が夜遅くまで起きていて部屋が明るすぎたり、うるさかったりすることはないか、暑すぎたり寒すぎたりすることはないか、お布団が重かったり衣服が窮屈だったりしないか、など気をつけてみてください。

また、生活全体のリズムをつけることも大切です。食事、排泄(はいせつ)、入浴、遊び、外出など、できるだけ時間を決めて行うこと、目が覚めている時間に外へ出て、日中十分遊ばせることも安眠につながります。ただし、一所懸命遊ばせすぎて、あまり興奮させたり、くたくたになったりするとかえって寝にくくなるので注意してください。

夜泣きがひどい

寝ていた赤ちゃんが、痛いところがあるわけでもないのに、あやしても抱っこしても泣きやまずに泣き続ける、親や家族にとって夜泣きは肉体的にも精神的にもしんどいものです。

夜泣きは生後3週間ごろから始まることもありますが、ピークは6か月から1歳半ごろで、3歳には80%くらいはなくなるといわれています。

夜泣きには特に原因というものはないので、逆にいえばこれをすると治るという解決策もありません。もちろん親や家族のせいでもありません。赤ちゃんが大きくなっていくワンステップですから、いつかは卒業できます。

日中は外気浴をさせたりして規則正しい生活を送り、睡眠しやすい環境を整えて、家族で協力して夜泣きの時期を乗り越えましょう。親や家族が穏やかな気持ちで過ごせることが赤ちゃんにとっても一番です。

寝かせる姿勢

赤ちゃんも大人と同じように、その子によって寝やすい姿勢があるようです。中にはうつ伏せで寝るのが好きという子もいます。

ただ、病気でなかった赤ちゃんが突然亡くなってしまう乳児突然死症候群という病気がありますが、うつ伏せ寝をしている赤ちゃんにその病気の発生率が高いという調査結果が明らかになってから、うつ伏せ寝はさせないほうがよいと勧められています。首が座らず、寝返りもできない幼い赤ちゃんは、うつ伏せで寝かせるのはやめましょう。

もう少し大きくなって寝返りができるようになると、あおむけで寝かせていても自分で寝返ってうつ伏せになってしまうこともありますが、それくらいの月齢になると乳児突然死症候群の危険は減ってくるのであまり神経質にならなくていいと思います。しかし、赤ちゃんの寝具は顔が埋まったりしないものを選び、はさまったり、おおいかぶさったりして窒息の原因となるようなものを周りに置かない、などの注意は大切です。

抱きぐせ

赤ちゃんは抱っこが大好きです。暖かくて、柔らかくて、お母さんのにおいがして、心地よく揺れて、とても安心できるのでしょう。

抱っこしてほしいと赤ちゃんが泣いたときに、それに答えて抱っこしてあげるということは、赤ちゃんにとって「周りの人は何か欲求したときに答えてくれるのだ。」という人間に対する基本的な信頼感を作っていくことになります。

成長してひとりで歩けるようになり、言葉も話せるようになれば、自然と抱っこばかり要求しなくなってきます。抱きぐせがつくからと赤ちゃんも親も抱っこを我慢したりさせたりする必要はありません。抱っこを求められて応じられるときは十分抱っこしてあげてください。

しかし、家事などで手が離せなくて、すぐに抱っこできないときもあると思います。そんなときは無理して抱っこする必要はありません。「ちょっと待ってね。」「すぐ抱っこしてあげるからね。」と優しく声をかければ、赤ちゃんはだんだん待つことも覚えるようになります。

指しゃぶり

赤ちゃんは口や唇の感覚が鋭いので、「なめる」「口に入れる」という行為によって、いろいろなものの形や大きさ、硬さなどを覚えていきます。赤ちゃんが自分の手や足をなめたり、口に入れたりすることは、自分の体がどういう形をしているのか、ということを知るために必要なことで本能的な行動です。指を口に入れられるようになった赤ちゃんは、それを吸ってみると楽しくて落ち着いたので、指を吸うということを覚えて指しゃぶりを始めたのでしょう。

赤ちゃんをよく見ていると、退屈なときや眠いとき、不安なときなど何か気持ちの落ち着かないとき、満足していないときに、よく指しゃぶりをしていることに気付くと思います。少し大きくなった子では、指しゃぶりをすると親が「やめなさい」と注意するので、親の注意を引くために指しゃぶりをする場合もあります。指しゃぶり自体は、自然にとれるので無理にやめさせようとしなくてよいです。

手や指を使った遊びを取り入れる等工夫をしてみるのもいいでしょう。

歯並びに関しては、一日中ずっとというのでなければほとんど影響ないので心配いりません。

カンが強い

子どもが思うように行動してくれなくてイライラする、というのは子育ての中でだれもが体験することではないでしょうか。

1歳半から2歳ごろの子どもは、自我意識が芽生え、何かしようという気持ちは育っているけれども、言葉が不十分で自分の気持ちが通じなかったり、大人の言っている意味がわからなかったり、また運動機能が未熟で思うような行動がとれなかったりするとしばしばかんしゃくを起こしてしまいます。そんなときは、なだめたり、やめさせようとやっきになるよりもさりげなく興味をほかに向けるようにして気分転換させるとよいでしょう。たたいてしまうと「たたかれた」ということしか覚えていないので、たたくことは何の役にも立ちません。

表現方法は子どもによって様々です。ゆったり受け止めてあげることも大切です。

呼んでも振り向かない

赤ちゃんは6か月ごろになって、体を自由に動かし、きょろきょろあたりを見渡すことができるようになってくれば、自分のことを呼ばれると笑ったり、振り向いたりするようになってきます。呼ばれて振り向くことができるようになるには、自分の周りの人に興味を持ち、声をかけられるとそれに答えようとする関係が成り立っていなければなりません。

日頃から目を見て声をかけたり、あやす等、心がけることも大切です。

幼い赤ちゃんは文句は言いませんが、急に抱き上げられたり、ほ乳瓶が口に入ってきたりすると、びっくりしてしまいます。赤ちゃんの体に触ったり動かしたりするときは、優しく声をかけてから行うようにしましょう。赤ちゃんが声を出し始めたら、同じような声で返事をするように出してあげると、3か月ごろからは、こちらがあやすと赤ちゃんはまるでまねをするかのように「あー」とか「くーん」などというようになってきます。まだ言葉はわからなくてもこうして赤ちゃんとかかわっていくことによって、赤ちゃんは人や周囲に興味を持つようになり、豊かな感情が育っていきます。

赤ちゃんとのかかわり合いが十分にできているのに呼んでも振り向かないというときは、ちゃんと音を聴くことができているか、確かめてみる必要があります。赤ちゃんが遊びなどほかのことに気をとられていないときに、話しかけてみたり、おもちゃを鳴らしてみたりして反応をみてみましょう。必ずしも振り向かなくても、何らかの反応があれば聞こえているはずです。また、電話の音、テレビのスイッチを入れたとき、ドアが閉まったときなどの様子を見るのも参考になります。聴こえが悪いのではないかと思うときは早めにかかりつけの医師などに相談してください。

腹ばいで遊ばせるのはいつから?

2か月ごろの赤ちゃんを腹ばいにさせると、前腕で支えて頭を持ち上げることができるようになってきます。前からお母さんが声をかけてあげると、お母さんの方を見ようとして首をまわすことができるかもしれません。このころから腹ばいで遊ばせることができます。最初はすぐに疲れてしまうでしょうが、だんだん慣れてくるとその姿勢で長くいられるようになってきます。

3か月くらいになるとひじで支えることができるようなり、余裕をもってお母さんと遊ぶようになります。それまではずっとあおむきでいた赤ちゃんは、腹ばいになると景色ががらっと変わり、今まで気がつかなかったようなものをたくさん見つけることができるようになってきます。

また、腹ばい姿勢をとると、腹筋をしっかり使うので、便秘ぎみの赤ちゃんはお通じがよくなったり、食欲がでたりすることもあります。腹ばいが苦手だったり、ひじを後ろに引いてしまうような赤ちゃんは、タオル(バスタオル等)をくるくる筒状に巻いて、うつ伏せの赤ちゃんの脇の下の右から左にかけて置きます。赤ちゃんが自分の身体を支えられる位置にひじを置き身体のバランスを取らせます。

腹ばいにさせるときは、下に敷くものは体が沈み込んだり、顔が埋もれたりしないものにして、必ずだれかが見ているようにしましょう。